SDRにもRITが欲しい

 サテライトでのQSOがようやくできるようになった私ですが、新たな問題が発覚しました。
普通のトランシーバなら必ずある"RIT"機能がSDRにはなく、QSO中にずれてしまった局にゼロインをすることができないのです。

 QSO開始直後にはぴったりゼロインしていても、コールバックがあったころには、大幅に周波数がずれていてQSOが困難になることが何度かありました。
 当局のアンテナはビームではなく固定アンテナなので、どうしても仰角の高めのときにQSOすることが多く、そのためドップラーシフトの変化が最も大きいタイミングと重なることも原因なのかと思います。

 SDRは単なるラジオなのだから、自由に周波数を変えれば何の問題もないように思うかもしれません。
ですが、当局のシステムではSatPC32ソフトを介して周波数の自動制御をしているため、SDRの受信周波数を変えると送信周波数も連動して変わってしまうのです。
 もはやSDRというより、システム全体として送受一体のトランシーバとなってしまっているため、RITが必要になったということになります。


 SDRはソフトウェアですから、プログラム次第でどのような機能も追加できるという理屈ではありますが、そもそも送信機とのトランシーブ運用など想定していない受信専用ソフトに、RIT機能など今後加わるはずもありません。
 どうしたものかと思案をしましたが、段階的に次のような試みを行い、最終的に解決に至りました。


1.SDR-consoleの「マルチVFO」機能を使う
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 SDRのソフトにもいろいろありますが、私がいま使っている"SDR-console v2.3"には、「マルチVFO」という機能があります。
 画面ではVFO-Aが435.850MHz、VFO-Bが435.855MHzになっていますが、SatPC32の自動周波数制御はVFO-Aに対してのみ行われるので、相手局がシフトしても、VFO-Bで手動で追いかけることができます。

 この方法で、たしかに目的は達するのですが、実際のQSOで使うには使い勝手が悪く、いろいろ課題が残りました。

・「VFO A=B」の機能がないため、VFO-Bは毎回手で周波数合わせをしなければならない。
・VFO-AとVFO-Bで近接した周波数を受信すると、ビートが発生したりするなど、とても聞きづらい。
・トランシーバのようなダイヤル操作ではないので、操作性が良くない。

 SDR-consoleソフトには、チューニングのダイヤル操作を可能にする外部パッドが付けられるようになっているので、この外部パッドを購入してみようかと、amazonの購入ボタンをポチる寸前まで行きましたが、ここで頭を冷やして別の解決策を考えてみることにしました。


2.SatPC32の機能で対応が可能だった
 RITは受信に関わる機能だからということで、SDRソフトの機能を活用することばかり考えてきましたが、システム全体で考えてみると、司令塔であるSatPC32の側で何とかならないだろうかという考えが閃きました。

 SatPC32のマニュアルは英語なので、細かい機能までは把握しきれていなかったのですが、頑張って読み進めて行ったところ、"Downlink Adjustment"という機能が目に留まりました。

 詳しく調べると、下図にあるダウンリンク周波数のみを変えることができるという、まさにドンピシャの機能でした。
操作性に関しても問題はなさそうで、もっと早く気づけばよかったと、嬉しいような悔しいような不思議な気持ちになりました。
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 これで万事解決と思われたのですが、ここでまたもや足を引っ張られました。

 マニュアルによれば、テンキーでのキーボード操作によって、ダウンリンク周波数をUP/DOWNできるはずなのですが、どうしたわけか、DOWN/DOWNにしかならないのです。周波数が下がる一方なので、これではもちろん使い物になりません。
 何かが間違っているのかと思い、いろいろ試みたのですが、どうやらSatPC32のバグらしいという結論に至りました。

 ここからが問題です。SatPC32にバグがあったからといって、どうしたらいいのでしょう?
ここですっかり行き詰ってしまいましたが、さんざん悩んだあげく、どうせアマチュアの趣味なのだからと開き直り、SapPC32作者のDK1TB、Eichmann氏にメールを出してみることにしたのです。

この続きはまた次回に。

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